看護師とヒヤリハット

最近では随分とどこの病院でもヒヤリハットや、アクシデント報告についての理解が浸透してきました。ヒヤリハットは文字通りヒヤリとしたりハッとしたりとするなど、ひとつ間違えば事故になってもおかしくないその一歩手前の事例の発見のことです。

2005年4月25日に男性59名と女性48名の合計107名が亡くなった、JR福知山線で起きた脱線事などを教訓に労災事故を未然に防止するための概念です。JR福知山線脱線事故も余裕のないダイヤや、運転士の心理的な問題が指摘されていました。

看護学においても学ぶこのヒヤリハットは、英語では「メディカル・インシデント(Medicalincident)」と呼ばれています。医療現場におけるヒヤリ・ハットは医療的準則に従った医療行為が行われなかったが、結果として被害が生じなかった事例に使われます。

具体的には間違って別の内服薬を患者さんに渡したが、患者さんがそれに気づき内服しなかったなどです。この場合はある医療行為が実際には実施されなかったけれども、もし実施されていたとしたら患者さんに被害が生じていたと考えられます。

ヒヤリハットにはこの逆のケースもあり得ます。それは間違って別の内服薬を患者さんに渡し患者さんがそれに気づかずに内服したが、何も健康被害が起きなかった場合です。また。それによって患者さんからのクレームもなかった場合です。この場合はある医療行為が実際に実施されたが、たまたま患者さんに被害が無かった例です。このいずれの場合も医療現場におけるヒヤリ・ハットの典型的な事例です。

これは1件の重大なトラブルや災害の裏には、29件の軽微なミスと300件のヒヤリ・ハットがあるとするハインリッヒの法則によるものです。ハインリッヒの法則とは労働災害における経験則の一つで、アメリカの損害保険会社で技術調査部の副部長をしていたハインリッヒが1929年11月19日に出版した論文で発表しました。

ヒヤリ・ハットはある工場で発生した労働災害5000件余を統計学的に調べ、重傷以上の災害が1件あるとしたら、29件の軽傷を伴う災害が起きていて、300件のヒヤリハットが起きていたと発表したのです。

ヒヤリハットやアクシデントの報告は医療現場においてももちろん大事なことですが、問題はそれが正しく行われているかです。自分のミスを認めることにもなるヒヤリハットやアクシデントの、もみ消しが日常的に行われている病院もあるからです。

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